米・ニューハンプシャー州で胃腸炭疽症例

ニューハンプシャー州の女性が胃腸炭疽に感染し、12月28日現在、危篤状態である。女性は、太鼓サークルの集会で胃腸炭疽に感染したとみられている。太鼓および建物から採取されたサンプルには、炭疽菌の陽性反応が出ているが、女性が感染したものと同じものであるか調査が行われている。また、太鼓サークルの出席者には予防投薬が検討されたほか(実際に投与されたかは不明)、太鼓を持ち込んだ人に太鼓の検査を呼びかけている。

アフリカ産の皮革から皮膚炭疽に感染したケースや、太鼓に使用した動物の皮革から肺炭疽に感染したケースの報告はあるが、胃腸炭疽は珍しい例である。アメリカでも少なくともここ数十年報告はないようである。

New Hampshire probes GI anthrax case
CIDRAP Tuesday, December 29, 2009
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/bt/anthrax/news/dec2909anthrax.html

米国で初となるマールブルグ出血熱の輸入症例

米国で初となるマールブルグ出血熱の輸入症例がMMWRに報告された。ウイルス性出血熱の輸入症例は、米国ではラッサ熱の二例が報告されているが、フィロウイルスでは初である。

本症例は、2007年末にウガンダのサファリツアーから帰国し、米国内で発症して2008年1月初旬に受診している。1月時点ではウイルス性出血熱も疑われ、ELISAも実施されていたが陰性で、診断がつかなかった。しかし、その後も腹痛や疲労感といった症状は残っていた。7月に、ウガンダの同じ洞窟を訪れていた人がオランダでマールブルグ出血熱を発症し死亡した報告を受けて、再検査し、明らかになったものである。接触者260人の追跡調査も行われたが発症者は認められていない。

流行地域への渡航に関して注意を促すものであると同時に、診断の困難さへの注意、そして、ウイルス性出血熱であれども「まずは一般のクリニックの外来を受診する」という事に改めて注意を喚起する症例である。

英国・グラスゴーでヘロイン使用者に炭疽菌患者

英国・グラスゴーでヘロイン使用者の炭疽菌患者の発生が報じられた。

12月16日、ヘロインの静注使用者が死亡し、血液中から炭疽菌が検出された。また、疫学的に関連があると見られるそのほか2例のヘロイン静注使用者についても、薬物接種部位の軟部組織に重篤な感染が見られ、炭疽菌が検出されている。警察では、ヘロインへの炭疽菌混入、又は刺入に使われた器具の汚染が疑わしいと見ている。過去4週間に薬物を使用し、症状があったものについて受診を呼びかけているが、その後新しい感染者は発見されていないが、注意を呼びかけている。 (BBC)

薬物静注による炭疽菌感染は、希ではあるが、その事例がなかったわけではない。
2000年にノルウェイでヘロイン静注後に、炭疽菌髄膜炎を発症して死亡した例が報告されている。
New Scientist, ProMed)

今後、炭疽菌株の解析による疫学的関連性の調査が行われるほか、死亡者の病理結果が来週にも報告される予定である。